~青春への準備~
心にぽっかり穴が開いたような、そんな空気が漂っていた多摩川河川敷。
泣きながら弁当をほおばる選手、ただただぼ~っと他チームの試合を眺める選手、兄と頑張ってきた野球が終わってしまったと泣きじゃくっている3年生。
子どもにかける言葉がみつからない。
頭をポンポンしてやることが精一杯だった。
6年生の集大成とも言える秋の川崎市大会。
初戦の麻生区・みどり少年野球クラブ(敬称略)に8-3、第2回戦の新作第二少年野球部(高津区)に3-1で勝利し、ベスト8進出。そして10月8日、準々決勝の相手は川崎区の強豪・川中島子ども会野球部。
粘り強い投球と、強固な守備で好ゲームを繰り広げるも、0-1の惜敗に終わった。
プレッシャーに耐え、時には、はったりを利かせて自分を鼓舞し、歓喜と号泣に明け暮れた選手たち。その純粋な一喜一憂に親たちも熱くなれた。私は小学生の頃、親をこんなにも感動させてやれなかったはず。
『野球をやらせてくれるお父さん、お母さんにありがとうを言おうね。』という言葉をよく聞くが、突き詰めれば、その逆。
『感動をくれて、ありがとう』
敗戦から1時間後・・・。
各区の女子連合チームが戦う“シスターの部”の試合が行われた。先発マウンドを任されたのは、フラワーズの“花”である女子選手。ついさっきまで沈みまくっていた野郎たちは一転、外野から大声援を送っていた。
心の傷を癒すように。
青春っぽいなぁ・・・。
泣いて、笑って、バカ騒ぎして、また本気で立ち向かていく。
これからやってくる“青春”を前に、少年野球がいい準備期間になったかもしれない。
卒団までもうちょっとあるものの、これで一段落。
プライベートを犠牲にして選手たちを育ててくださった監督、コーチ、マネージャーと、一緒にチームを強くしてくれた5年生以下の選手たちに感謝します。
(Aチーム担当:フリージア)