激闘の価値は ~ジャビットカップ宮前区大会~
ガギーン!
強烈な鈍い金属音とともに、センター方向へぶっ飛んでいったボール。
懸命に追いかける選手。
…が、外野フェンス手前で天を仰ぎ、ガックリとしゃがみこむ。
ボールは木の枝を揺らし、すとんと落ちた。
サヨナラ満塁ホームランだった…。
4月16日、熱気渦巻く宮崎第1公園で行われた、読売ジャイアンツ主催のジャビットカップ宮前区大会1回戦。相手は、先月の春季大会でフラワーズが勝利を納めた宮崎台バーズ。
序盤、フラワーズが先制するも逆転を許してしまう。
再び逆転に成功するも、追いつかれ、6-6で最終5回裏、バーズの攻撃。
2アウト満塁から冒頭の金属音が轟いた。
選手は、泣きじゃくっていた。
野球マンガなら心を熱くして読みふけっていたであろう激闘。
しかし、現実に目の当たりにすると、あまりにも酷なシーンだった。
これが野球であり、これこそが少年野球。
敗戦を美化するつもりは毛頭ないが、少々残酷だったものの、むしろ今週末に迫った川崎市大会に向けてのいいスパイスになったのではないかと思う。
選手それぞれが自分のプレーを思い返す機会になったかもしれない。
みんなは当然フルパワーだったはず。
しかし、何が足りなかったのか、心構えはどうだったのか。
ベンチで見守っていた選手は全力でサポートできていたか。
出ている選手がリラックスできるように声を出し、相手にのまれない雰囲気を作ろうとしていたか。
私は野球の知識は乏しいが、スポーツのなんたるかはわかっているつもりだ。
春季大会でバーズに勝って手に入れた川崎市大会への切符。
宮前区代表として戦う前に、そのバーズに敗戦。
『そんなんじゃ市大会は勝てねぇよ。俺たちの分まで戦ってくるんだろ?』
そんなふうにバーズナインに喝を入れられたようだ。(これはちょっと美化しすぎか…)
巨鳥・バーズには、またお手合わせ願えた時に雪辱を果たすとして、今は市大会へ向けて選手たちがやれることに精一杯向き合ってほしい。
激闘の価値を見せてやれ。
もう、泣いている暇はない。
【4/16 ジャビットカップ宮前区大会1回戦 フラワーズ6‐10バーズ】
(Aチーム担当:フリージア)